2009年4月19日日曜日

『農耕起源の人類史』


いま、大学の考古学専攻の学生さんはどんな本を読んでいるのか。
田舎に引っ込んでいるとなかなかわからないところですが、気になります。
これはまあ、先生が学生に薦めている本が反映されると推測されるわけですが、その点、東海大の北條芳隆先生オススメの本はどれも刺激的で、学生さんはよい影響を受けているのでしょう。

この本は昨年夏の刊行で、先生から教えられてすぐ購入(まだ読了できていないのですが)。
農耕の拡散と人間集団の遺伝子拡散・言語(語族)の広がりの関係をテーマとした非常にスケールの大きな研究書。私としてはとくに、狩猟採集民にとって農耕はどのような意味をもったか、狩猟採集民と農耕民の補完的関係(狩猟と農耕へのそれぞれの特殊化・差異化と交換システムの構築)、といった点に興味が引かれました。

農業という生業は文化として伝播するわけではなく、農耕民の集団が狩猟採集民のなかに入り込むことで始まるのだ、という指摘はエキサイティング。

1月に続いてお招きいただき、6月にも平塚にうかがいます。
北條先生、松本先生、ありがとうございます。

京都大学学術出版会978-4-87698-722-1

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